2019年08月02日

無垢

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ぶーちゃんの死は、苦しみの果てにあった。

長い間、病と闘い、幾度もの検査に耐え、
そして最期は、もがき、苦しみ、息をひきとった。


それなのに、ぶーちゃんの死顔は、
壮絶な苦しみを露とも感じさせないほど、安らかなものだった。

誇らしげに、勇ましく、笑みを浮かべているようにさえ、私には思えた。

ぶーちゃんは本当に強くて、立派な子だった。



その夜、私は自分のベッドに ぶーちゃんを寝かせると、
ひんやりと冷たい体を、そっと優しく撫でながら、
何度も何度も、ぶーちゃんの名を呼び続けた。子守唄のように。

私は、動かぬぶーちゃんと一緒に、眠りについた。



いつの間にか朝がきて、私だけが目覚める。

真っ先にぶーちゃんを確かめると、
ぶーちゃんの顔は、昨日のそれとは、少し違うものに変わっていた。


まるで子猫みたいに、あどけない顔をして、
私の枕もとで、微笑むように、眠っている。

それは私が今までに見たこともないような、
本当に、天使のように愛おしい、無垢な微笑みだった。




あの夏から、11年。

ぶーちゃんの苦しみに最後まで寄り添い、
全身全霊をかけ、自分で看取ることができたこと、

そして、今年も無事に、ぶーちゃんの命日を迎え、供養することができたことに、
私は改めて、心から、感謝したい。






posted by ただゆめこ at 04:44| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする