
部屋の一角に、大切な写真が飾ってあります。
チッタとぶーちゃん、そして、テレちゃんとチョビの写真。
毎日必ず、一度は手を合わせます。
10月に入り、秋めいてきたある日のこと。
ものすごく嬉しいことがあって、
わたしはみんなの写真に手を合わせながら、お礼の報告をしていました。
カーテン越しの柔らかな日差しの中。
静けさを抱えるように、一人写真と向き合っていると、
何とも言えない、厳かな気持ちになります。
わたしは いつも以上にゆっくりと、
感謝の思いをこめて、愛猫たちの写真をみつめていました。
2枚の写真が、木製のシンプルなフレームに、それぞれ入っています。
羽毛布団の中から顔を出してるぶーちゃんと、
その横でゴジラみたいな顔してあくびしてるチッタ。
小雪のちらつく日。ダンボール箱の中で、仲良く暖をとるテレちゃんとチョビ。
ふふふ。 本当に、いい写真だなぁ・・・
愛おしむように、カメラ目線のテレちゃんのお顔を、
じーっと みつめていた、そのときでした。
写真の中のテレちゃんが、突然リアルに、浮き上がって見えてきたのです。
テレちゃんだけじゃありません。チョビもチッタも、ぶーちゃんも!
わたしの目には、写真なんかじゃ、ない。
鮮やかな命が、そこにそのまま生きているかのように、思えました。
なんと言ったらいいのか。
写真の枠の中に異空間が広がっていて、そこで今も変わらず生き続けているような、
それを見ているような、そんな感じです。
その瞬間、無性に涙がこみあげてきました。
あぁ、わたしは、守られている。
こんなにも、守られているのだ。
そう思ったのです。
うまく言えないけれど、ひとつの喜びの中に、一緒にいるような気がしました。
生と死を越えて、再び会えたような。 同じ魂を、共有しているような。
わたしたちは、こんなにもすぐそばにいるのだ。
いつだって。
心から、そう思えた瞬間でした。
とても、とても、不思議な感覚でした。