
名前を呼ぶと、ミカちゃんは必ず「ニャッ」と、返事をしてくれる。
お返事するミカちゃんの顔は、まるで笑っているみたいだ。
いつの頃からか、私が口をふくらませて、「ぶっ」と破裂音をだすと、
名前以上に、やたらと反応するようになった。

私が「ぶっ」とやると、ミカちゃんが「ニャ!」と笑顔で答える。
「ぶっぶっぶっ…!」とやれば、
「ニャニャンニャ! ニャニャニャッ!」と返ってくる。
奇妙な会話は、とめどがない。
「ぶ」と「ニャ」は、引き寄せあうかのごとく、様々に呼応するのだ。
そんなミカちゃんの「ニャ」は、実に律儀である。
じっと丸まって眠っているのかと思いきや、
ささやくように「ぶっ」とやると、目をつぶったまま「ニャ」と言うもんだから、
こりゃたまらない。

聞こえないくらいの、小さな小さな「ぶっ」なのに、
どうにもこうにも、反応せずにはいられないようだ。
ああ、かわいい、かわいい。
なんてかわいい、お返事ミカちゃん。