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2ヶ月ほど前に描いた来年の年賀状イラストです。
賀詞を使うことには抵抗があるので、「絆」ということばを掲げています。


昨日、NHKのnews Watch9で、「再起を誓う家族写真」というのがやっていました。

福島県相馬市で今もなお、仮設住宅での生活を強いられている人たちに、
家族写真を撮ってプレゼントする、という取り組みを取材したものです。

途中、60代後半のご夫婦が取材に応えていて、
そのご主人が毅然とした態度で、言葉少なに話し始めました。

「俺たちは、家族だけは、助かったから。」

「災害にあってから、夫婦の、絆...」

と言葉にしたところで、ご主人は急に声をつまらせると、
口をぎゅっと震わせながら、片手で顔をおおい、
あふれ出す涙を必死にこらえていました。

そして沈黙のあと、その悲しみを呑み込むように、
「ありがたいです」 と、言ったのです。

まるで、自分に言い聞かせるように。

この言葉を聞いた瞬間、
私の中に、このご夫婦の抱えている計り知れないほどの深い悲しみが、
一気に押し寄せてきました。

「ありがたいです」というこの言葉に、
どれほどの意味と、深い悲しみ、苦しみがこめられているか。

そう思うと、
やるせなくて、悔しくて、たまらない気持ちになりました。


怒りにも似た、抱えきれないほどの悲しみを、
「希望」に託して、生きていく。


被災地の今を、しっかりと、見つめていきたいです。


<NHK> news Watch9「再起を誓う家族写真」