
図書館で偶然みつけた絵本。
『つづきのねこ』 吉田 稔美(著)
手のひらサイズのとても小さな本。
温かな黄色の表紙に、
猫のシルエットがシンプルに描かれている。
1ページ目を読んだ瞬間、体が固まった。
まるで、時が止まったかのように。
それは絵本というよりも、
心の奥底に、深く刻まれた、日記のようであり、
強く願ってやまない、詩のようであり、
うまく言えないのだけれど、
自分がずっと、隠すように抱えてきた苦しみを、
何もかも、わかっているよと、
そう言ってもらえたような、そんな気がした。
あの夏の日に、
苦しみの中で死んでいった
愛すべき子。
あのとき、ああしていたら...
あんなことしなければ...
どんなに精一杯、がんばったって、
どんなに毎日、強く抱きしめたって、
悔いのない別れなんて、そんなものはない。
「たられば」の呪文は、決して、消えることはない。
愛猫を失ったあと、
縁あって我が家にきた、3にゃんの猫。
黒、白、雉トラ。
繰り返すかのように、まさにそれは「つづき」のように、
かつてと同じ、毛色の子たち。
今ある命を、「生まれ変わり」だなんていうのは、
人間の勝手な、都合の良い思い込みでしかないんだと、
あざけるように戒める自分がいたけれど、
そう思っていてもいいんだよって、
この本は、私を優しく、諭してくれました。
『つづきのねこ』
この本に出会えて、本当によかった。