夏の日のこと。
ぼ~っとテレビを眺めていたらば、
視界の端で、何か黒いのが足もとに見えたんです。
「もしやゴキブリかっっ!?」と思い
ガバッと勢いよく身を起こしたらば、
あらまぁ、小さな小さなだんご虫ちゃん。
短い足を総動員して、よいしょ、よいしょと、一生懸命進むだんご虫。
子どもの頃、つっついてはよく遊んだものです。
だんご虫をみつけると、私は今だに、なんだか嬉しくなります。
つい、悪戯心がわきあがり、
試しにふぅ~っと、優しく息を吹きかけてみたら、
くるっ!と、一瞬でまあるくなっちゃった!
驚くほどの機敏な反応。この上ない絶妙なタイミング。
その素早さがなんともコミカルで、かわいくって。
私の前でしばらくじぃ~っと丸まっていただんご虫ちゃんは、
何も起きないことを悟ると、よいしょよいしょと再び歩きだしました。
小さな小さなだんご虫。
ひたすら進みつづけるその姿に、なんだか勇気をもらった私なのでありました。