2018年05月29日 バロックの色 以前にもチラッと書きましたが、バッハの小フーガ ト短調(BWV578)が好きで、 最近やたらと、聴いています。 パイプオルガンの抑揚のない音色と、その圧倒的な響きは、 まさに神のように、絶対的に美しく、 聴く者の心から余計な感情を追い払い、無にしてくれるような気がする。 この曲を、色にして例えるならば、 絶対、金古美だな・・・と思い、描いてみたのが今回の絵です。
2018年05月24日 ギリシア神話「ナルキッソス」 やりたいと思っていることはいろいろあって、 そのうちの一つに、「ギリシア神話を描く」というのがあります。 記憶をさかのぼれば、子供のころに 「アリオン」というアニメ映画を観たのがきっかけでしょうか? その映画の世界観が、私にはたまらなく気高く、そして美しいものに思え、 以来、漠然とではありますが、ギリシア神話というものに憧れを抱いていました。 ギリシア神話を、初めて本でちゃんと読んだときは、 え?!と思うような、残酷な展開が多々あるので、 正直、ちょっと戸惑いを感じましたが、 今となっては、そういう面を踏まえても、 やはりギリシア神話は、「美しい世界」であると、思います。 今回の絵は、ナルキッソスのお話をイメージして描いたものです。 はがきサイズの、小さな習作。 「ナルシスト」の語源ともなったこのお話は、 ギリシア神話の中でも、特に馴染み深いものかもしれません。 ナルキッソスのお話には、エコーというニンフ(妖精)も登場するので、 最終的には、もっと大きな紙で、双方一緒に描きたいなと思っています。
2018年05月13日 魂のようなもの 心奪われるような 素晴しい絵に出会ったり、 神々しいほどの 美しい音楽を耳にしたりすると、 わたしは頭のてっぺんが、何かに吸い上げられるような、 そんな感覚をおぼえる。 鳥肌が立つのとは、またちょっと違くて、なんというか、 自分の意識のようなものが、頭から、スァ~っと抜け出ていくような そんな感じである。 つまりそれは、わたしの魂ともいうべきものが、 「自分」という物体から、唯一、解き放たれる瞬間 なのだと思う。 このときだけは、わたしは「自分」という、一番厄介で面倒な存在から、 解放され、自由になることができるのだ。 つかの間のこの感覚は、夢見るように安らかで、そして、慈愛に満ちている。